彼を呼ぶ声
2007'09.22.Sat
●12:00 党本部主催 街頭演説会(仙台)
●15:30 街頭遊説(新宿駅東口アルタ前) -- 要綱(PDF)
●23:00 テレビ東京『ワールドビジネスサテライト土曜版』

今日は、仙台と新宿での街頭演説。
残念ながら私は赴くことは出来ませんでしたが、ネットなどでその様子を伺うことができました。
新宿では麻生さんの応援に、あの北村晴男弁護士が駆けつけてくれたそうです。
北村弁護士、熱弁をふるう!
とんっでもなく熱いです!
何というかもう・・・・・・言いたいことをすべて仰ってくださったという感じです。
また、今日は選挙前日ということで、さまざまな議員さんが新宿に駆けつけてくださいました。
麻生さんの推薦人のひとりである、中川昭一さんの公式サイトに、本日の中川さんの応援演説が上がっています。
麻生太郎街頭演説 -強烈な熱気のなかでの応援演説 -(新宿東口・アルタ前)
こんなに暑い中、しかもこんなに大勢のみなさんがたにお集まりいただきまして、わたくしも感謝感激であります。まだ日本も捨てたもんじゃないと、麻生さんもわれわれもお力添えをいただいて元気いっぱい最後の最後まで戦ってまいります。(がんばれー、の声)
ゲートインした瞬間に勝負が決まっちゃう。なんか変じゃありませんか(変だー、おかしいぞーなどの声あり)
九つの派閥のうちの八つが推薦しているといいますけれども、ここにいるわれわれはそんなこと関係なくやっているんです(拍手)。日本のためにやっているんです(拍手)。
だから麻生さんはこうやって街頭で演説できないときも、マイクじゃなくてメガホンもって皆さんに訴えたいといって、皆さんに政策を訴え、皆さんに評価していただき、それを支えにやっていこうと、今命がけの戦いをやっているんです。
麻生さんの話というのは「かたり」ではありません。話です。はなし、つまりみなさんがたに「放つ」んです。その話された言葉を皆さんがしっかり受け止めてそれを麻生さんやわれわれにしっかりがんばれよと皆さんから受け止めたいんです。直接声を聞きたいんです。
だから今日もこうやって大勢の皆さんにお集まりいただき、麻生太郎どんなに感謝感激、そしてそれをスタートにして皆さんのためにがんばっていきたい。とてつもない日本、この言葉は皆さんがたの潜在力を、思い切ってがんばれる日本にしていこう、その期待なんです。
今日本は危機です。しかしその危機を成長に、夢の実現に変えていく、その、力を麻生太郎に与えてください(大拍手)。
国会議員の数ではないです(拍手)
党員の数じゃないんです(拍手、そうだーの声)。皆さん方お一人、お一人のお力なんです(拍手)。そしてその力で日本をよくしていこうじゃありませんか(そうだーの声)。
元気の出る日本をつくっていこうじゃ、ありませんか(拍手)。どうぞ皆さん方のお力をわれわれはけして無駄にはいたしません。
われわれの結果は明日でます。
そしてどんなことがあってもみなさんがたのために一致協力して戦っていかなければなりません。真の敵はだれた。民主党だ、共産党だ!こんなのにこの国をまかせてはいけない。誇りを持って自由と民主主義と、何よりも皆さんの声を受け止めて、参院選に負けましたから、謙虚に皆さん方の声を聞いて、皆さん方の仕事が、暮らしが、より元気で前進できるようにがんばってまいります(がんばってーの声あり)
ここにいらっしゃっている方は東京や神奈川や千葉、あるいは埼玉の人が多いんだと思います。大都会です。しかし大都会もみなさんのふるさとです。ふるさとには伝統と歴史と誇りがあるんです。日本中のふるさとの誇りをさらに増していけるような政治をやっていこうじゃありませんか(拍手)。
皆さんのこの熱気は、日本中、世界中にとどいています。この熱気をみてびびってくるひとも、いっぱいいると思うんです。
おおいにびびらせようじゃありませんか、日本の未来のために。皆さん方のために。
あ、主役がきましたので、わたしもだんだん興奮してまいりましたのでもうやめます。
日本のために、日本の人口のために、一生懸命努力してまいります。それが今日のスタートなんです。皆さん方最後の最後まで、麻生太郎、麻生太郎にあたえてやってください。わたくしからもよろしくお願い申し上げます。

そして麻生さんの演説。
二階堂ドットコム:麻生太郎総裁選ビデオ(本日16時・新宿東口にて。) / 動画
ニコニコ動画:麻生太郎総裁選街頭演説@新宿アルタ前07/09/22(要登録)
長い時間、しかも熱い中、大勢、このアルタ前、昔はここ「二幸口」といったんですけども、今はアルタ前の方が通じるんだと思います。
新宿東口、ここに大勢の方に集まっていただきました。
心から感謝します。ありがとうございました。
今、宮城県仙台の街頭遊説も終わって、ここにやってきました。
最後の公式の街頭遊説が、この仙台で終わったことになります。
この総裁選挙、安倍総理の急な辞任から始まって、今日まで約10日間、極めて異例なかたちでしたから、私どもとしては、なるべく早い形で次の総裁を選ばなねばならぬという義務と責任が我々にはあるということで、この約11日間、国会が空転したことに関しては、我々としてもその責任を感じます。
したがって今回はどうしても、皆さん方、大勢の方々の民意を得た、そういう総裁選挙に出来るだけ近づけたい、そう思って我々は、大勢の方々が一人でも多く参加出来るというかたちで、今回の開かれた党員投票に拠ります選挙をさせていただきます。
おかげさまで何となく、中央、永田町じゃいまひとつ票が良くない。(自分を指差す)
何となく私としては各会派からいきましたら我々は圧倒的な差がついてるように書かれております。
しかし最初にスタートいたしましたのが、街頭でいけば渋谷、その次は秋葉原、そして大阪、高松、そして仙台、浅草、いろいろ回らさせていただきました。
どこ行っても皆様方から熱烈に歓迎をしていただきました。
何となく、こういう現場を見ますと、やっぱり皆さん方の民意というものと、何となくその民意を代表している自由民主党の議員との間に意識に差があるのかなあと、正直私はそう思います。(拍手)
私はこういうかたちで皆さん方に応援をしていただいた。
本当にこの一週間頑張れた。
地方の声、多くの声をいただき続けたおかげで、今日まで──新聞に拠れば、圧倒的な差がついているにもかかわらず、おかげさまでここまで頑張れることが出来た。
皆さん方の拍手、皆さん方の応援、これが私にとってこの一週間を支えてくれた力です。感謝します。ありがとうございました。(拍手、歓声)
今、我々政治家は多くの問題を抱えております。
皆さん方、若い方もいらっしゃるが、大勢の方々で、まず不安がある、いろいろな不安がありますよ。
しかしひとつひとつ、我々はそれを解消してきたと思います。
たとえばこの新宿。
新宿といったらまず思いつくのは?
歌舞伎町でしょうよ。(聴衆笑)
これを想像しない人はいないと思いますよ。
やっぱり新宿といやあ歌舞伎町。
その歌舞伎町、昔はちょっとマジヤバイなあ、っちゅう感じがあったでしょうが。
しかし私ども6年前、中川さんの前に政務調査会長をしているときに、とにかくおまわりさんの数が足りないんですと、どんどん公務員を減らして、おまわりさんの数も減らしたから、空き交番は増えるわ泥棒は増えるわ強盗は増えるわ、そういった意味じゃ留置所はいっぱい、留置所がいっぱいだから捕まえたっていれるところがありません、そういう騒ぎまで一時なっていた。
そこで警察官を増やそうと。増員しないとやってられませんから。
したがってこの新宿歌舞伎町にも制服のおまわりさんの数が増えた。間違いなく増えたよ。
どうなった?
歌舞伎町って、「マジヤバイ」ところから、「軽~くヤバイ」くらいになったろ?(拍手)
違うかね?
何となーく危ないなーと思っても「マジヤバイ」って程じゃなくなったでしょうが。
だから健全な人たちもあちこち行けるようになった。
いや、今までいってた人が皆健全じゃないとは言わないよ。(聴衆爆笑)
私も良くお世話になりましたから。そりゃそんなこと言うつもりはありません。(聴衆爆笑、拍手)
しかし間違いなくみんなで行けるようなところになった。
かつてラスベガスだってあれだけヤバイと言われたラスベガスが、今間違いなく世界のコンベンションセンターとか、いろんなかたちでラスベガスという町はみんなが行く町に大きく変わった。
間違いなくその町を経営する人のセンス、その町を運営する人の経営感覚が町を変える。
ハッキリしてる例がいっぱいあるじゃありませんか。
いま問題として年金の話もあります。
私がいう話はこれです。
年金は、自分の年金がどうなってるか、これが一番心配なんですよ。
今年35歳になった人? 今年ですよ。
今年35歳になった人は間違いなく、「貴方の年金はどうなっています」という通知をもらったろ?
間違いなく葉書が来たはずですよ。
したがって、俺の年金はどうなるんだということはその葉書を見りゃ分かった。
したがって、私が総理総裁になった時には、必ず皆さん方に、年金を納めている人には、必ず全員葉書を出します。
納めている人には必ず出します。
それによって経費は掛かるよ。
しかし、それによって安心するだろうが。
問題はいまより、35歳のいまの若い人たちが俺ぐらいの年になったとき、「俺の年金はどうなるんだろうか」ということに最大の関心があるはずです。
その35歳の人がいまどうであろうか。いまの話も先の話も気になる。
したがって先の話も心配だから納めない。
いま年金て幾らあるか知ってます?
150兆円貯めてあるんですよ。
国家予算が80兆だから約、倍。
そんな簡単に今日明日なくなるはずがないでしょうが。
だからそれをきちんとどうやって運営するかというところが問題なの。
それを途中でちょろまかすとか、払ってるやつに払わないとか、ね、いろんないい加減な話を、役人が、地方の公務員が、また社会保険庁の役人がやるから信頼がなくなるんですよ、信頼が。(拍手)
だから私どもは去る6月30日に、この社会保険庁の一連の問題を解決するためには、社会保険庁は民営化します、解体しますと。そして非公務員で別の形にしますというのを決めさせてもらったんです。
それがこないだの6月30日に決まった結果です。
こういったものをひとつひとつやらねばならぬ。
これが政治の与えられた責任なんだと。
だから我々は皆さん方のそういった不安、治安に対する不安、また年金に対する不安、そういったものをひとつひとつ片付ける。
それがいまの政治家に与えられた仕事なんだ。
私どもはいま日本という国は、そんなに悪い国だとは思っていません。
正直申し上げて、細かい点あげりゃいくらでもありますよ、そら細かい点をあげりゃあ人間、完璧なことはないから。
ここに奥さん方もいっぱいいらっしゃるけど、自分の亭主を思いだして。
自分の亭主思いだして「アタシの亭主は百点満点。まったく欠点がない」──ホントに思ってる人? (聴衆笑)
一人いた。ねえ。(聴衆笑、拍手)
よほど運がいいのか騙されているのかどっちか。普通はありえない。必ず百点なんて人はいない。
百点の女房もいなきゃ、百点の男もいない。そら、いないんですよ、そら。
百点はありえないから。
しかしどこかに欠点はあっても、それを上回る良さがあるから、そこそこお互い辛抱して、折り合いつけて20年30年一緒にいるんでしょうよ。
ボーイフレンドだっておんなじよ。ね。
そういう意味では是非皆さん方にご理解いただきたいのは、自由民主党という政党も、百点満点は期待しないで。
そらもう、人間がやってんだから。百点は無理です。
しかし、あの政党に比べたらまだええんじゃねーかと。そこらが答えでしょうよ。(聴衆爆笑、拍手、大歓声)
ぜひとも、自由民主党ってのはこれまでもやってきました。
いまもいろいろ戦いはします。
しかし開かれた国民政党として、たった一人の人が右だ左だ、そういったことを決めるような政党ではありません。
我々は開かれた国民政党なんだから、そしてその際に派閥のことはあろうとも、ここに中川(昭一)先生も足を運んでもらった。自分のムラで別の人を推薦しているのに、麻生を推薦するってのは、麻生を応援するってのは度胸いるよ? (拍手、歓声)
これはかなりのもんだ。
甘利(明)先生も同じく、山崎拓とかいうちょっとした方のとこで苦労して(笑)おられるんですが、この方も「よし!」と言って、「麻生、やってやろうじゃないか」と言って、来ていただいた。
また鳩山(邦夫)先生も同様に、経政会という大派閥の中から出てきていただいて、そういった方々に力を貸していただいて、私はここまで戦うことが出来ました。
この方々に是非、応援をしてあげていただかないと、私も正直後味が悪い。(拍手)
ぜひとも力を貸してあげてください。
鳩山先生、中川先生、そして甘利先生、いろいろな方々に力を貸していただきました。
是非皆様方のご理解と、ご支援をお願い申し上げる次第です。
通行が、えらく邪魔になるとこまですみません。
あのー、こんなに大勢の方々がお集まりいただくとは思ってなかったもんですから、私どもの方として段取りが悪かったんだと思います。
しかしこういった大勢の方々が、集まっていただいた。
これこそが私にとっての力です。
今後とも明日一日、明日の半日しか残っていませんけれども、皆さん方のこの熱気が、自由民主党選出国会議員の気持ちに必ず通じる、民意というものはそうやって、皆さん方有権者の気持ちが民意として、国民の意志として、国会議員に伝わる、そういったものひとつひとつを掬い上げてきたから、自由民主党は今日まで、いろいろ欠点があるとはいえ、私どもに応援をし続けていただいたんだと確信します。
今後とも自由民主党は開かれた国民政党として、今後とも皆さんのために、国民のために、また世界に期待される日本であり続けるために、全力を挙げてがんばってまいることを重ねてお誓いを申し上げ、街頭からのお訴え、お願い、御礼に代えさせていただきます。
長時間のご清聴、ありがとうございました。
麻生太郎、最後まで頑張ります。よろしくお願いします。
ありがとうございました。(拍手、歓声)

いろいろな方の熱い思いが、この絶望的なまでに不利な状況をここまで押し上げてきたんだなあと、ぐっときてしまいました。
松本純さんのサイトにも、今日の様子が上がっています。麻生さんを総理に押し上げようという、多くの人の熱気が伝わってきます。

松本さんのサイトによると、明日の麻生さんはこのような予定とのことです。
●07:30 【麻生太郎】フジテレビ「報道2001」
●09:00 【麻生太郎】NHK「日曜討論」
●10:20 【麻生太郎】テレビ朝日「サンデープロジェクト」
●13:00 【麻生太郎】出陣式/都内ホテル
●14:00 両院議員総会・総裁選投開票/党本部8Fホール
●15:30 臨時役員会及び役員連絡会/党本部総裁応接室
●17:00 【麻生太郎】総裁選打ち上げ/都内ホテル
あと一日。
頑張れ、麻生さん!

2007.09.22 23:50 | 麻生太郎さんの講演 |
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幕末の志士のごとく
2007'09.21.Fri
●11:10 党青年局主催「公開討論会」
●13:00 日本記者クラブ主催「公開討論会」
●17:20 TV出演:日本テレビ「NEWSリアルタイム」
●23:30 TV出演:日本テレビ「ニュースZERO」
●きょうたろう「具体的に、明確に」

日本記者クラブ主催の公開討論会がありました。
ノーカット工房にて動画が公開中です。
【 1:各候補者の主張 】
【 2:候補者同士の討論 】
【 3:記者陣からの質問 】
書き起こしは、最初の候補者の主張です。
麻生太郎です。
まさか同じお招きを、こういう短期間に二回も受けるという予定は私の想像を超えておりました。予定外でしたが、本日もどうもよろしくお願いいたします。
まず最初に、甚だ突然のこととはいえ、内閣総理大臣の突然の辞意表明によってのこういったかたちでの政治──国会開会中とのこともありますので──空白期間を招いたということに関しましては、甚だ短期間でとは思いましたけれども、約11日間の期間をいただくことになったことに関して、お詫びを申し上げたいと存じます。
私の所信を申し上げたいと存じます。
私は、小さくてもあたたかい政府、小さくても強い政府を作りあげたいと申しております。
経済は名目成長率にして少なくとも2%以上、フローの伸びを追求する、ということを申し上げております。
高齢化に伴い、活力ある高齢化社会、というものを申し上げております。
また、中国との付き合い方を聞かれたときには、日中共益、つまり中国とは共益だと、李肇星外交部長にも申し上げましたけれども、その通りと思っております。
地方分権。
またそれには地方に経営感覚を、ということを申し上げております。
今日は今申し上げた公約について、全然違った角度から説明させていただければと存じます。
まず私が最初に政治信条としておるところは、日本人に対する信頼であります。
日本人への信頼。
有史始まって以来この方、日本ぐらいではないかと存じます。
切れ目のない伝統を保持しております。
ひとつの国家として、自主独立の道を営々として歩んできた国家だと存じます。
危機に臨んで外国勢力に学ぶことはあっても、引き入れんということはしておりません。
幕末における危機に際してさえ、そうでありました。
天皇家にあっては、その間、男系の皇統をずっと維持しておられる。
わが国の歴史にはおかげさまで、一本太い大黒柱が通っているわけでもあります。
これほどまでに、今様の言葉でいうと、sustainabilityという、持続可能性というものを体現して見せた国が他にあるだろうか。
歴史を通じて国柄というものを維持して参ったのが、私どもの国、日本であります。
人間ジーっと同じひとつの姿勢で立つということは、よほど鍛えた筋肉を持った人でも早々出来るものではありません。
日本という国家は、例えていえば、ほぼ2000年それをやってきた国であります。
脚がよっぽど強い国だと思っております。
保守すべきは保守し、そして危機に臨んで改革すべきは改革してきた。
そのことに我々の先輩たちは、文字通り命を賭けて参りました。
私は、そう思っております。
よく中国の台頭で日本は負けるといった類の議論も出て参ります。
私はこの種の話があまり信用できません。
中国の台頭という現象を見まして大歓迎と本心で申し上げました。
たぶん日本の外務大臣として公に、中国の台頭を、成長を、発展を歓迎、という言葉を使った最初だと思います。
何故なら日本という国は、強い相手が回りに現れてくると、先方のいいところを吸収し、必ず自分の力で脱皮してきたという国だから。
中国とは「共生」というより、「共益」、つまり「お互いに益する」という関係にならねばならぬし、また、出来ると信じております。
何せ持続性においては優れた国でありますから、国家経営の模範というものを、ハッとするようなものが実は過去の歴史にもあります。
たとえば江戸の町。
人口100万の都市を統治する、いまで言えば行政、司法の仕事を、みな担当しておりましたのが御存知大岡越前守などでお馴染みの江戸南北町奉行所であります。
その奉行所で働いていたお役人は何人くらいだったと思われるでしょうか。
わずか300人弱という資料がございますが、100万都市に300人だった。
それでいて、幕末日本に来た外国人は江戸の清潔振りとか、また老いも若きもニコニコして機嫌よく暮らしていたところに驚いております。
たった300人という、まあ小さな政府としては究極の小さな政府。
その小さな政府が同時に、あたたかい政府でもあった、ということです。
それはほとんどいまなら区役所でしているような仕事というのは、全部民間人がやっていたからです。
その多くはご隠居さんだったといわれております。
江戸時代というのは究極の民間活力、ボランティア全盛期でもあります。
「活力ある高齢化社会」であったとも存じます。
この間総務省が出した資料によりますと、65歳以上の高齢者の方は2744万人。
しかしそのうち要介護、いわゆる支援が必要な人は、別の統計によれば16.6%と出ております。
したがって残りの83%強という方々は、基本的には元気な高齢者。ここにも大勢来ておられます。(場内笑)
昨日、67回目の誕生日を迎えた私にとりまして、年に二回もこのしんどい総裁選を戦える、という体力がある、ということでもあろうかと存じます。
私はこういう高齢者という方々を、税金を使う人、Tax Eaterではなくて、税金を払う 、いわゆるTax Payerにしたい。
出来るはずだというのが、私のいう「活力ある高齢化社会」であります。
そしてそのモデルというのは、私ども今一度、200年以上に渡ってやったことだった、ということだと存じます。
今高齢者の約6割が、働く会社というものは従業員数30人未満、いわゆる零細企業であります。
したがって私は、名目成長率で見て2%以上の必要があると申し上げている次第です。
高齢者を吸収してくれる零細企業にしっかりしてもらわねばならぬ。
その点だけを取りましても、成長というのは大事だと思っております。
また地方の会社に頑張ってもらわねばなりませんが、その頑張ってもらう環境づくりとか、方向付けとか、これは地方の首長さんにやってもらうべきだと存じております。
権限と、財政面と、そして人材を工面してさし上げる必要があろうかと存じます。
それについては地域を経営している、それによって地域を経営していただく。
もう一度江戸の話をさせていただきますが、江戸の世の中というのは子供を遊ばせていた、「子供」扱いしておりました。
当たり前じゃないかとお思いでしょうが、同時代の世界に、そんな国はふたつとありません。
桃太郎、一寸法師、また浦島太郎等々、子供向けの物語があんなに早くからあった、という国は、ほかの国にはありません。
ちなみに大人向けの童話ではありますけれども、グリム童話集、あれは1812年が初版であります。19世紀に入ってから。
私はこれが文化の土台としてあったからこそ、昭和に入って大恐慌になったとき、私はある偉大な失業対策事業が全国に広まったんだと存じます。
何かといえば、紙芝居です。
失業者が手軽に出来る仕事でもありました。
紙芝居はシネマ──映画の技法です、ありゃ。
映画のやり方を取り入れている。
そして全体がストーリーと、物語になっている。
これをワクワクして見た世代が、どういう世代だったか。
戦後、漫画のパイオニアになった偉大な作家たちです。名前をあげる必要もないと思います。
したがってストーリー漫画、物語のある漫画という、それまで世界のどこにもなかった、独特のジャンルが生まれました。
映画の技法を駆使した文法が生まれたんだと存じます。
それが今『ドラゴン・ボール』だ、『キャプテン翼』だとなって、世界中の青少年を熱狂させているのであります。
どうでしょう。
日本にある物語は、長い長い歴史の成長を経ております。
もういい加減、日本人の持つ、日本独特の自発的な想像力、新しいものを作る力というものに信を置いていい時代だと、私はそう考えております。
あらためて申し上げます。
わが国は脈々として続いた伝統に誇りを持ち、そして勇気を持って改革、新しきを創造していくことを出来る国家なんだということを、私は幕末の志士のごとく、同様に国家のために頑張りたいと思っております。
長時間のご清聴、ありがとうございました。

日本人に対する信頼
この言葉が、本当に胸に来ました。
信ずること。
先の戦争に負けてこの方、この国ではこの国を信じること、この国に住まう人を信じることが、難しかったということもありました。
こういう、イデオロギー未満の原初的な感情さえ、どこか見ない振りをしなくては、気持ちの平静が保てないところがあったのだと思います。
こういう、アジテーションではない、まったくの平易な言葉で、自分たちの来し方を肯定できる、感慨深いものがありました。
こういう人を、待っていたのだと思いました。

ショー的な見所は、この所信の後の、候補者同士の討論の箇所だと思います。
麻生さんの切り込みの鋭さは、空恐ろしいほどです。
福田さんは思惑の違う多人数に担がれた経緯もありますし、具体策を避けようとしますが、麻生さんが社保庁の解体、福田さんの官房長官時代の拉致問題の経緯などに関して、議論の俎上に上げています。
福田VS麻生 北朝鮮外交めぐり応酬
福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長は、21日の日本記者クラブ主催の公開討論会で、北朝鮮による拉致問題をめぐり激しく応酬した。安倍政権の「対話と圧力」路線の継続を主張する麻生氏は、福田氏の対話重視の路線を厳しく追及、福田氏は気色ばんで反論した。国家観・歴史観をめぐっても両氏は折り合わなかった。
麻生氏「福田氏の対北朝鮮交渉に『圧力』は入るのか?」
福田氏「交渉の過程において対話一本やりということはない。対話が途絶えてしまっているならば、圧力は必要だ」
福田氏も最初こそ、麻生氏が発言している最中に資料に目を通すなど余裕の表情だったが、麻生氏に対北朝鮮外交を突かれると顔つきが変わった。
麻生氏は、平成14年9月17日に小泉純一郎前首相が初訪朝した際、官房長官だった福田氏が拉致被害者の家族と面談したことに触れ、「あなたは拉致被害者5人が帰国した際、北朝鮮との約束通り、被害者を北朝鮮に戻すべきだと主張したのではないか?」。
福田氏は身を乗り出し「ええ、正しく話をしましょう!麻生氏は外相をやっておられたのだから、過去の資料をよく見てもらいたかった」と述べると、両手を組み直し当時の経緯を早口で「外務省の報告を知り得る限り家族に伝えた。それ以上のことを言う必要はない」とピシャリ。さらに「私は帰国した5人を北朝鮮に戻すべきだなどと言っていない。ただ、『戻すという約束があるのだから、約束を破って大丈夫なのか』と外務省によく尋ねた。私は十分配慮しながらこの道筋を進めた」とまくしたてた。
この後、今度は福田氏が反転攻勢に。麻生氏が掲げる国家観「誇れる国」に触れ、「過去のことをどうするのか。これから本当に誇れる国になるかどうかが問題だ」と問い詰めた。
これに対し、麻生氏は「『私は日本人です』と堂々と誇れるような国を目標にすべきだ。私は必要以上に自虐的な史観をもっていないし、自虐史観に基づく考えは私の哲学には合わない」と反論。福田氏は「自虐史観と切り捨ててしまうことが問題ではないか。将来を考える場合、今までの考え方を大いに変えていかねばならない」ときり返し、議論は平行線をたどった。産経新聞 2007/09/21 20:40
拉致の件は福田さんにとってはつらい箇所なのか、すっかり顔色が変わっていました。
政治家さんですし、もっとさらりと受け流すかと思っていたので、ちょっと吃驚してしまいました。

この後に続いた報道関係者からの質疑は、そこまで見所はありませんでした。
動画で見ていると、そもそも質問がちょっと散漫・・・頑張れ記者クラブ。
概要はこちらでどうぞ↓
2候補発言・コンパクト版
▽両候補による討論
【拉致問題】
麻生太郎幹事長 北朝鮮ときちんと対話をするためには圧力が必要だ。
福田康夫元官房長官 交渉の過程においては対話一本やりではない。対話と圧力のバランスは外交交渉上の問題だ。
▽質疑応答
【首相の辞任】
福田氏 決断の時期を間違えた。参院選の敗退時が決断の時期ではなかったか。
麻生氏 所信表明演説の前ならともかく、テロ対策特別措置法が終わってからだと安倍晋三首相に申し上げた。10日に辞意を聞き、ずっと外に漏らさず最後まで説得しようとした。
【小沢民主党代表評】
福田氏 わたしが当選1回のころの自民党幹事長。権威があったし偉い人だという印象を持った。最近は非常に民主的にやられている。
麻生氏 今、頑張っていろいろ努力をされているが、仲良くなると別れるのがあの人の歴史だ。
【衆院解散時期】
福田氏 2008年度予算が成立したら解散だと一般的に言うが、ほかにも大事なものがあった場合はそれを仕上げてからの解散もある。
麻生氏 首相が代わるたびに国民が総選挙を期待するのかどうかも判断に入れないといけない。
【給油活動継続】
福田氏 テロ対策特別措置法の延長は時間的な制約がだんだん強くなっている。延長が難しいなら新法もやむを得ない。新法案を出すことになれば臨時国会に出す。
麻生氏 早急に成立させてしかるべきだ。延長が無理なら新法をできるだけ早く行うのが責務だ。臨時国会で成立を図れるようにすべきだ。
【政治とカネ】
福田氏 すべて公開したら、政治活動すべてが洗いざらいになる。政治活動の自由は必要。第3者機関が1円からチェックして問題がなければ公表しないようにすれば、政治家も安心して真実を伝えることができる。
麻生氏 政党助成金という税金が投入されている部分は公表すべきだ。自分で集めた浄財で行う政治活動については、政治活動の自由は憲法上保証されており、区別しなければいけない。
【財政再建】
福田氏 (公明党の連立政権協議に臨む基本姿勢には)2011年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標の先送りはない。既に決まっていることを実現する考えだと理解している。
麻生氏 11年度という目標を持ってスタートしている。税収が伸びているから簡単に「先送りしよう」と今の段階でする話ではない。
【都市と地方の格差】
福田氏 財源がない中で工夫が必要だ。ばらまきはできない。政策の組み合わせが必要だ。
麻生氏 市場経済原理主義は必ずひずみを生む。道路がないとか携帯電話が通じない地方に企業はいかない。仕事がないから若者は出て行く。
【年金問題】
福田氏 人口減など、これからの社会情勢に合わせてどういう年金がいいのか柔軟に考えていい。与野党で一生懸命にやるのも1つの方法だ。(税方式も)含めてだ。
麻生氏 国民のための話だから、与野党協議は賛成だ。
【消費税】
福田氏 将来的には消費税で社会福祉を担う考え方はやむを得ない。
麻生氏 年金や福祉に限定した福祉目的税みたいなものだ。
【国立追悼施設】
福田氏 多くの国民に理解される国立追悼施設になってほしいが、靖国神社に代替する施設ではない。石を投げるような人がいる状況でつくっていいとは思っていない。
【皇室典範改正】
福田氏 放置していい問題ではない。時間的制約があり、早く一定の方向を出さなければいけない。ただ、国論が分かれてはいけない。
麻生氏 皇室典範を安易に政治家が触るべきものかというのが率直な実感。しゃにむに論議して結論を出すほど切羽詰まった話ではない。
【憲法問題】
福田氏 憲法は国会が認めることで、そこを考えなければいけない。集団的自衛権の行使については、今行われている議論の事例が適切かどうかも含め考えたらいい。
麻生氏 (憲法改正と集団的自衛権行使の容認を進めるかどうかは)両方ともイエスです。中国新聞 2007年9月21日22時15分
そして日本テレビの「NEWSリアルタイム」に出演。
長野でもローカル番組の合間にチラッと見ることが出来ました。
司会の笛吹アナから、二人のキャラクター、その一番の違いをフリップに書いてくれ、という指示。
福田さんが「先に出して」というように麻生さんを促して、麻生さんが出したのが、
「キャラが立っている」
そしてこれは福田さん的には実は狙い通りだったのでした。
続いて福田さんが出したのが、
「キャラが立たないのがキャラクター」
このときの福田さんが、麻生さんを見ながらフリップを出していたのですが、反応を窺っている様子がおかしくてたまりませんでした。

もちろん麻生さんも大爆笑。
麻生さんのやわらか思考にすっかり感化されている福田さんだったのでした。
それにしても、最近政界ネタだとやたらと「キャラ」という単語が使われていて、なんやかんやと「麻生太郎、恐るべし」という状況なのでした。

そして明日の麻生さん。
●12:00 党本部主催 街頭演説会(仙台)
●15:30 街頭遊説(新宿駅東口アルタ前) -- 要綱(PDF)
仙台、そして新宿。
いよいよ、期限も迫ってきています。
ただ、麻生さんという人は、いつだって正面から正々堂々と行く人。
それはもう、愚直なまでに。
今日のきょうたろうにもこんな記述がありました。
やはり、今リーダーに求められるているのは、具体的な施策と方向性を示すことだと思っています。
喫緊の課題である年金に対する不安もそう、また、長期的な国家ビジョンもまた然りです。
限られた時間しか残っていませんが、ぜひとも、明確に訴えていきたいと思います。

あくまでも真っ直ぐに。
正々堂々と政策論争を。
利口なやり口ではないかもしれません。
でも「小賢しい」政治家には、もう飽き飽きしているのです。
だから、愚直なまでの誠意を以って、「具体的に明確に」、そうやって国民に信を問う、そういう麻生さんが好きなのです。

2007.09.21 23:51 | 麻生太郎さんの講演 |
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輝かしき「愚か者」
2007'09.17.Mon
今日になってようやく立会演説会の模様を見ることが出来ました。
20070916自民総裁選立会演説会1
20070916自民総裁選立会演説会2
また、自民党のサイトに、書き起こされた文書も上がっています。
できるだけ多くの方の目に触れればと思いますので、こちらを転載させていただきます。
◆自由民主党 総裁選挙:【所見】麻生 太郎平成19年9月16日(日)
所見発表演説会
麻生太郎です。親愛なる同僚議員の皆さん、また、自由民主党党員・党友の皆さん、皆さんを通じて私は敬愛する日本国国民に申し上げたいと存じます。そして世界の人々に、私の己の信じるところを訴えたいと存じます。
私が愛する日本は、今、立ちすくんでおります。本来、歩みを止めるべきでないときに急停止を余儀なくされた。そういう状況にあります。このことを思うにつけ、私は断腸の思いにかられます。責任を果たそうとして果たせなかったこの1週間、またさらにこの先1週間、政治の空白に対して責任を感じるところです。国民の皆さまに対しまして心からお詫びを申し上げる次第です。
だからこそ、時間をいただいたこの総裁選に課せられた期待と責任はことのほか大きい、そう思わないではいられません。自由民主党が本当に変わったのか、国民は見ております。開かれた国民政党としてその名に恥じない政党になったのか、国民は瞳をこらしております。本総裁選の意義はまずもってその点にこそあろうと存じます。
後世、歴史家が振り返るときに、古い自民党と小泉改革以来の新しい自民党との再試合だったと、そう記述するに違いないと存じます。どんな結末をもたらすのか、我々に課せられた責務は重大であります。私ども全て、国民の目を強く意識し、政策をもって白黒をつける戦いに堂々と挑まねばならないと存じます。
私は、皆さまの前に政策の選択をお見せしたいと存じます。私が信じる日本人の能力を語ろうと存じます。指導者に求められる資質を述べたいとも存じます。その上で何を選ぶのか。公平無私の見方、国益を忘れぬ目をもって選んでいただきたい、このように思っております。
急ごしらえでつくった合意は簡単に崩れます。あわててまとめた多数派も、成立のその瞬間から瓦解への方向に動き出す。わが自由民主党はすでにそのことを過去の歴史から学んだはずでありました。わが党は長い歴史において、ある結論に達しております。それは、指導者を選ぶときに、国民に広く候補者と政策の選択をお見せして、国民の声を聞きながら選ぶのでなければならないということであろうと存じます。
皆さん、今ほど日本が危機に臨んで強い指導者を必要としているときはありません。安定した指導者ではありません。強くて頼りになる指導者をこそ必要といたしております。また、今ほど日本の農山村・漁村、地域の経済がたった2文字を求めて渇望しているときはありません。その2文字とは「希望」であります。皆さん、朝に希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝とともに床につく、人間の営みとはこの3つが十分にできるなら「幸せ」なのだと存じます。
私は、日本の若者に希望を与えて、農山村・漁村のおじいちゃん、おばあちゃんに「この先そんなに悪くはなりませんよ。きっといいことがあるよ」という希望を感じてもらいたい。私は、毎晩感謝の思いとともに眠りにつけるよう、粉骨砕身この身を捧げてまいる所存であります。
また、今ぐらい日本の発する言葉が重みを増しているときもないのであります。日本の発する言葉とは、煎じ詰めたところ内閣総理大臣の発する言葉であります。世界がそれに耳を傾けます。日本の環境を守り、治山治水に精を出しているお父さん、子どものお弁当を作り、それから働きに出るお母さん、あるいは“ネットカフェ難民”と呼ばれ、明日の暮らしを心配する若者に対しても総理は呼びかけなくてはならんのだと存じます。
私は強い言葉を発する総理になりたいと存じます。わが国の進むべき道はこうなのだと、明確な言葉を語れるような総理にもなりたいと存じます。日本という国は素晴らしい国なのだ。頼りになる仲間だ。そして尊敬に足る国だと、諸外国の指導者に、またその国の国民に思ってもらうことのできる、そういう言葉を発することのできる総理大臣になりたいとも考えております。
総理に選ばれました暁には、日本をどんなふうに変えたいのか申し上げます。日本と日本人の底力に私は揺るぎない信頼を置いております。その力を十分に解放すること。それによって、力強い成長軌道に今一度、日本をのせることであります。地方経済に息を吹き返させることであります。実力を解放し、自力成長をさせることです。
これから具体的な例を内政について3つ、外政についても同じく3つ申し上げさせていただきます。
はじめに内政についてであります。内政は将来不安の払拭、これは目下の状況ではまずは年金の話だと存じます。第2は徹底的な機会の平等、不当な格差は断固つぶすということです。第3に、経営者の目をもって新たな経済成長戦略を力強く押し進めるということであります。
順にご説明を申し上げます。
まずは年金です。支払い漏れが1人もないよう徹底を期します。そのため、全ての国民の皆さまに年金が確認できるようハガキを送りたいと存じます。社会保険庁、自治体窓口で保険料を横領したとかいう不逞の輩は、金銭の多寡を問わず言語道断の所業であります。なぜならこれは制度、この年金制度によせる国民の信頼を根底から掘り崩し、ひいては政治それ自体に不信を招いたということに他ならないからであります。私は、年金が国民の未来というものを託するに足る、信頼のおける制度に生まれ変わるよう、政権の命をかけて取り組んでまいりたいと存じます。
加えて、年金問題の本当の核心は、今日ただ今35歳の青年が65歳になったとき安心して暮らせるか、そこに見通しをつけてやることです。まずは現行制度に不公平をなくし、次に年金制度の将来設計を考え直す。このことに総力をつぎ込む所存です。
第2は機会の平等です。40歳とか50歳にもなれば、人間は己の顔に責任を持てとよく言われます。危機に及んでどっしり落ち着き、微笑みを絶やさぬ顔、私はこういう顔を国民の皆さまに対しお見せすることも指導者の使命であろうと存じます。
人間とは、目の前の選択肢の中から一つ一つを選んでいき、ついには顔をも自分でつくるわけであります。オギャアと生まれた赤ちゃんがその場所で、日本のどこにあるか、産んでくれた両親がどんな両親であるのかと、自分で選ぶことはできません。したがって、政府が心がけるべき最も大事な仕事というのは機会の平等を徹底して図るということだろうと確信します。そこから格差の是正という緊急の政策課題が出てまいります。中でも、農山村・漁村という地を、また企業で言えば中小零細企業、ここに今の日本では強い影が落ちております。農山村・漁村に生まれつき、中小零細企業に働く両親のもとに生を受けた子供が、ただそのことだけで将来に豊かな展望が持てない。そんなことになれば日本は日本ではなくなります。
方法はあろうと存じます。例えば、地方交付税のあり方を大幅に変えることがその1つだろうと存じます。補助金にしても、地方が自分の工夫を生かして使えるようにしてやる。そういうようなことができるのではないでしょうか。総務大臣として私は国から地方へ3兆円の税源委譲という大改革をやらせていただきました。全省庁が反対だったと存じます。地方にできることは地方にという構造改革をさらに進めます。
危機に追い込まれたとき、人間は2つの反応をとるであろうと思います。助けてくれといって人をあてにする。「何クソ」といって自分で活路を開く。中央と地方の関係が今のままですと、地方に「何クソ」という気持ちがなかなか起きません。
例をあげます。能登半島の「加賀屋」という老舗の旅館があります。ご存じかとは思いますが、交通の便は悪く、だんだんと客足が遠のいておりました。しかし、仲居さんに英語、中国語を勉強させ、台北や上海からのお客さんを増やして伸びました。この間の地震の被害にもあわれましたが評判はいささかも衰えておりません。
それから北海道旭川市にある旭山動物園、私も行きました。今では日本一有名な動物園。あれも「何クソ」と言って活路を開いた一例で、今では上野動物園より集客力は高いのではないでしょうか。企業や団体にはこういうことがいくらでもできる。自治体にもこれはできるというように思い込ませなければならんのです。
別の例をあげます。半導体、シリコンウェハー、シリコンの板のことです。この板に回路を書きます。ふつう回路は平面に並びます。しかし、一定の面積の板に回路を平面に並べる微細な技術は限界にきております。「それなら回路を垂直に重ねて書いていけば限界を突破できるじゃないか」――実はこれ、世界最先端の技術ですが、日本人の科学者が思いついた独創であります。圧倒的競争力を持つ技術で、わが国はいま一度、半導体産業の先頭に立つ、そんなことも決して不可能ではありません。
申し上げます。日本の底力というものにはとてつもないものがあるのだと、私はそう信じております。そして、そういう技術を持った工場を地方が誘致してはどうでしょうか。大きな工場ではありません。また、観光産業ならお客さんを広くアジアに求める。エコツーリズムの客を、思い切ってオーストラリアとかニュージーランドとかいう南半球圏に求める。自治体には頭さえしぼれば、そしてそれを許す財政的支援、裏付け、それに人材、それさえあればできることはいろいろある。
私の都市・地方間格差の是正政策の根本には、市町村長というものが地域の経営者としての発想を持って動きやすくする、そういう背骨を一本通しております。申し上げますが、こういう話は霞が関からは出ません。総理・総裁に求められる力というのは、霞が関に信頼されつつ、かつ違うアイディア、違う発想、突破口を示してやることだと思います。それに必要な総裁の能力とは、あらゆる人に、この人と話したい、話を聞いてもらいたい、アイディアを教えてやりたい、そう思ってもらえることであろうと思います。
そして第3は、経営者の目をもって新たな成長戦略を強く押し進めるということであります。成長促進と言いますと、すぐ予算をくれという話になります。これが役人の発想だと思います。何か新しい商売を探したり、仕入れの仕方を変えたりして原価をもっと下げたり…これが経営者の発想です。
わが党の政調会長をさせていただいたときでありましたが、港の通関やら建築申請やら、そのために役所に資料を提出しろという法律は数えてみたら5万2100本ありました。それを、たった1本の法律をつくり、1回で、それもオンラインで手続きが済むようにしました。すさまじい抵抗がありましたが、構造改革とはこういうことをやるのだと思います。
日本経済というもののコストを思い切って下げてやる。それで利幅が増えれば、株の配当とか、または働く人の給料、いわゆる労働分配率、いろんな難しい言葉がありますけれども、ともに上がる。こういうやり方はあろうと思います。ただし、役所の縦割りを残しておいてはできません。強い政治指導者がいて、はじめて可能なのであろうと存じます。
外交に話を移します。3つ申し上げたいのは、第1にインド洋の給油活動、第2に今、日本の外交が歴史的転換点にあるということ、第3が拉致の解決であります。
インド洋の活動は、日本が日本の国益をかけ、自分のためにやっていることです。6年前の9月11日、日本人も24人犠牲になったことを忘れてはなりません。インド洋は日本に油を送るシーレーンの出発点であります。ここをテロリストの勝手気ままにさせてはならぬ。日本の国益とはその1点に集中していると言っても過言ではありません。これを「アメリカのため」などというのは言語道断、もしくは事実誤認も甚だしいと存じます。
ヨーロッパの国々が日本を見直したのはこの給油活動です。それからイラクに送られた自衛隊員。盗みの一つ、軽犯罪の一つも犯さず、見事な規律を示した自衛隊の若い隊員に対しイギリスやオランダが驚いた。
皆さん、日本のGDPは世界の10%を占めます。中国、ロシア、そして韓国を足したよりまだでかいのです。それにふさわしい貢献を日本は立派にやっている。こう彼らが心の底から得心した。それで今、わが国の外交は大きくその地平を広げられました。これが第2の点です。欧州諸国と一緒になり、東欧諸国、バルカン諸国で自由と繁栄を伸ばしていく、こういう政策ができるようになった。
安倍総理は、インドの国会演説において「自由と繁栄の弧をつくる政策だ」と紹介をされました。アメリカとオーストラリアと一緒になって、アジアや太平洋の安全にもっと責任を持つという政策にもつながった。それらの根も、元をただすとインド洋の活動であったのであります。これだけのスケールを持つ活動なのだということを、だれかが国民に語り続けなければならないと存じます。私はそれをやってまいる所存です。日米同盟の強化はこういういろんなルートからもっとできるようになります。
第3は拉致の問題の解決であります。私は、新潟の海岸に足を運びました。横田めぐみさんが連れ去られたという、その場所にも行きました。鈍く曇る日本海を見ましたが、正直涙がにじみました。断固諦めない。私は日本国主権をかけ、日本の生命を守るという国家にとって最も重要な任務の遂行のため、北朝鮮に解決を迫ります。
私は、パレスチナの若者が日本を待っているのを知っています。ホンジュラスの子供が青年海外協力隊のこしらえた教科書で算数を学び、学校が好きになったということ。カンボジアの民法を日本の若い女性の法律家がつくっておるのです。私たちの誇りとする日本はとてつもない力があるのだと。
ぜひ私は、自分が愛し、誇りとしてやまぬ日本を、日本人の一人一人が誇りとして、そして未来に希望を、活力を求めることができる国になるよう、私の命をかけて頑張っていきたいと覚悟を決めております。全国の党員・党友、ならびに国会議員諸先生の深いご理解をお願い申し上げ、麻生太郎の所見の表明とさせていただきます。
長時間のご清聴ありがとうございました。

この総裁選、福田氏の準備不足に触れる中で「麻生は去年の総裁選にも出ているから、準備万端なだけ」というような言い訳も見かけますが、それは違うと断固として言いたいのです。
先だって出版された『とてつもない日本』。
大変好評でいまも書店に平積みになっているこの著作、実はけっこうな麻生ファンからすると、その多くがが見知った内容だったのです。
何故なら演説や講演、答弁などで聞いた話、そして、麻生さんは1983年からずっと継続して、月刊誌「嘉麻の里」に寄稿し続けていますが、そこでの内容が多く用いられていたからです。この連載は、麻生さんの公式サイトでも読むことができるようになっています。当ブログでも、いくつか引用、転載しているものがあります。
麻生さんの初当選が1979年ですから、本当に駆け出しの議員さんの頃からずっと発信されてきたこれらの文章、この中で麻生さんは、内政、外交、政治家としての姿勢など、オールラウンドに忌憚なく書き綴っています。
政治家として責任を持って発信しています。
そして、こうやって諸事に渡って自分の言葉を作りあげてきたからこそ、自分の中に整然と蓄積され、それを以って語りかけることができる。問われていることにさっと答えることができる。
つまり「準備が出来ていた」というのなら、この20余年、麻生さんはずっと準備をし続けてきたことになります。
ですが私は思うのです。
本来、政治家とはそうあるべきではないのでしょうか。
それぞれの議員さん、どの分野に強い、という専門性も確かにあるでしょう。
でも、一有権者にとって、オラが村のセンセイが国会で何委員会に所属してるだの、派閥のどのセンセイと親しいだの、そんな事情は知ったこっちゃありません。
内政にせよ外交にせよ、いまの政治状況に不信や疑問を持ったら、それをストレートにぶつけてくることでしょう。
それらに関して、国民の負託を受けた政治家として、きちんと聞き、その場しのぎでない説明する、自らの政治姿勢に則った定見を述べる、そういうことって大切なんじゃないでしょうか。
麻生さんは、日本を取り巻く諸事情に関して、常に言葉を発信してきました。
そして、その言葉は、基本姿勢は決してぶれることがなかった。
過去、外交について書いた文章と、その後、外相に就任してからの姿勢とは、矛盾も齟齬もありませんでした。
「漫画好きで若者に人気が出た」とことさら書き立てられますが、それはあくまでも現象の一つの面。
漫画が大好きな政治家がいると知り、ちょっと興味を持って調べてみたら、自分の意志と言葉をはっきりと持ち、それを一般にも通じる、しかもポジティブな言葉で発信する人だった。そしてその言葉を、責任を持って叶えようと努力する人だった。
この両方があったからこその「麻生人気」だと思います。
ちなみに私のきっかけは、以前も書きましたが、当時の大河ドラマ『新選組!』を巡る総務大臣としての国会答弁からでした。
新選組を主役にした作品に対して「大河ドラマでテロリストを題材にするなんてけしからん」と文句をつけた山口県の議員に対し、麻生さんはさらりと「当時の情勢からすれば、ゲリラは薩長の方。体制が変わって立場が逆転しただけですよ」と、さらっといなしていました。
ご当地がらみの歴史問題にはやたら情緒的になる人を多く知っていましたから意外でしたし、何よりそれを言ったのが大久保利通公の玄孫というのが何とも面白かった。
フェアでクレバーな姿勢の政治家が、よくよく調べると熱い理想を持つ情熱の人だと知って、ぐっと興味を引かれたのです。
この演説の中でも分かるように、麻生さんの叶えようとしている理想はとても高い。
地方交付税のあり方の変更、省庁の予算配分の変更、いわゆる省庁の改革は官僚側からの陰の陽の抵抗がある。
「自由と繁栄の弧」は中国やロシアがいい顔をしていない。事実、麻生さんが外相の任を離れた直後、これを取り下げようとする動きもありました。(海外での反響の大きさが、結果としてその動きを止めましたが)
拉致問題への強い姿勢は、北朝鮮での経済活動に意欲を見せる経済界や親北議員の抵抗があります。
この国の、ありとあらゆる既得権益と真っ向勝負です。
そりゃ、そんなこと言わないほうが絶対に「賢い」。
出世することを目的とするなら、確かに「愚か」なのでしょう。
でも、言うべきことを言わずして、やるべきことをやらずして、そうして手にした「出世」っていったい何なんだ?
政治家たるもの、この国のため、叶えるべき理想を胸に、どんな苦難が待ち受けていようと気概を持って進んでいく。
そういうもんじゃないのか?
麻生さんの姿勢からは、そんな言葉が聞こえてきそうです。
そういう麻生さんだから、応援しているのです。
ぜひ私は、自分が愛し、誇りとしてやまぬ日本を、日本人の一人一人が誇りとして、そして未来に希望を、活力を求めることができる国になるよう、私の命をかけて頑張っていきたいと覚悟を決めております。
こういうことをきちんと口にしてくれる人を、応援したいのです。

2007.09.17 23:58 | 麻生太郎さんの講演 |
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