太郎にオマカセ!
2007'12.24.Mon
「英語でしゃべらナイト・新春スペシャル」予告1
NHK「英語でしゃべらナイト」の再放送をチェック、新春スペシャルの次回予告を確認しました!
麻生さん、いーい笑顔。
2日夜が実に楽しみです。
「英語でしゃべらナイト・新春スペシャル」予告2
そして発売日からだいぶ遅ればせながら「月刊VOICE」1月号のご紹介。
麻生さんは日下公人さんと対談をしています。
記事のタイトルはズバリ『強い! 日本~自由と繁栄のパワーで世界を席巻しはじめた』、タイトルどおり外交やそれに関連した文化論などが話題の中心です。
なかなか面白い対談でした。
冒頭は他国の選挙予想。これが麻生流の見方で面白いんですよね。
アメリカの大統領選挙について言及する方は多いですが、候補者を北部出身者、南部出身者という観点で見るというのは成程という感じ。
そして一番紙幅が多かったのがその流れからの対中国外交に関する話題。
このあたりを少々引きたいと思います。
麻生 (前略)
また中国は、この間の中国共産党大会で曾慶紅さんが切られましたが、おそらくあれは江沢民さんが降ろさせたのでしょう。江沢民さんの影響力がまだまだ残っているわけで、胡錦濤さんが圧倒的な力を持っているとは、とてもいえない。しかも近年、暴動の頻度も増えているようですね。貧富の格差が激しいとか、スキャンダル、収賄、汚職が多いといったことが理由です。その意味からいくと、いまは北京オリンピックや上海万博の話ばかりがいわれていますが、2010年代の中国は、私にはよく見えないし、誰に聞いても見えない。
日下 大混乱に陥ったあと、秩序回復のために最終的には軍が出てきて、七つの軍管区が、それぞれ分かれるということをいう人もいますね。
麻生 中国は、秦の始皇帝に遡って、統一することに壮大なエネルギーを使い、壮大な無駄をしてきた。もう少し統治の方法を考えないと、あの国はしんどくなると思います。環境省の話では、水の汚染も大変な状況だという。これだけ情報化が進んでいますから、そういう情報もこれから本当のことがどんどん出てくるでしょう。それに資源がこれだけ高くなってくると、あれだけ資源を浪費している国ですから大変なことになるはずです。人件費も上がるはずで、それも急激に上がると思う。一方、中国のアドバンテージは、と考えるとなかなか見出せない。
総じていえば、日本にとっては悪い話ばかりではないでしょう。むしろ有利だといってもいいかもしれません。
日下 的確なお話で同感です。中国がもたないのは日本が付け込むチャンスですから、そのアイデアを外務省は出せないのかと思いますが、そういうグランドデザインを描ける人は、外務省にはいるのでしょうか。
麻生 けっこういるのですが、ただ中国語が出来ない人の方が、むしろよく見えている気がしますね。それに、これまで親中政策を長いことやってきましたから、そういうことを考える冴えた人は、なかなか出世しなかった。
日下 そうでしょうね。
麻生 そこがなかなかしんどかったのですが、私の外相在任中にずいぶんそういう人も出てきました。
日下 麻生さんが、そのような力ある人を積極的に登用したという話は聞きましたよ。
麻生 「中国が嫌がることをするな」という意見は、いまの総理をはじめ、親中派の方には多いですね。でも聖徳太子や大化の改新の時代から、1500年の長きに渡り、日本と中国の中がうまくいった歴史はないのです。小泉内閣の時代に、アメリカのチェイニー副大統領やライス国務長官から「日本と中国の関係は大丈夫か」と聞かれたのですが、このときも「放っておいてください。日本と中国は1500年の間、仲良かったことはないのだから」と答えました。彼らは「1500年・・・・・・」と絶句していましたが(笑)。
日下 それはアメリカ人に対する殺し文句としては、素晴らしい効果を発揮するでしょう(笑)。
麻生 中国の李肇星外相と最初に交渉したときも、「このままいったら日本の対中投資は激減することは覚悟しておいたほうがいいですよ。日本政府が命令するわけはないが、何となく減っていく。そのとき困るのはそちらですよ」といったのです。2005年の世界の対中投資は、マインス0.5%ほどでしたが、日本だけが、そのときはプラス20%だった。でも私の友人の企業などを見ると、みんなベトナムやインドに移り始めていた。だから、必ず減ると思っていたのです。案の定、去年の4-6月期でマイナス35%になった。南京市なんて、南京大虐殺の記念館などというものがあるから、日本人観光客がほとんどいなくなった。観光資源が激減して、他の何十都市が発展するなか、ひとりドーンと遅れてしまった。
日下 それに工場も怖がって行かない。南京大学の教授と話をしたら、「あんな迷惑なものはない」と。
麻生 そうなんです。中国政府も態度を変え、安倍総理になった途端に訪中という話になった。こちらが何か変更したかといえば、何も変更せずしてそうなったわけです。日本のマスコミは「日本の対中外交は間違っている」というけれど、私にいわせたら違う。中国の対日政策が、間違っていたのです。だからこっちが態度を変えなければ、向こうが機を見て、ある日突然、「降りた」と言い出す。
日下 そう思います。日本と中国の外交は、中国の方が失敗したんです。それで大反省中なんでしょう。私はその第一歩が、麻生さんと安倍さんが二人でなさった価値観外交、つまり「自由と繁栄の弧」だと思う。ユーラシア大陸の外周に生まれてきた新興国を支援し、民主主義を根付かせるというものですが、近年あんなに大成功した外交はなかった。中国は手も足も出ない。それをなぜ、日本のマスコミは報じないのでしょう。
麻生 あれをやったころは、外国の新聞にはえらく受けましたけど、日本の新聞では受けませんでしたね。
日下 だから一般の人は知らない。そのあたりの話を少しお願いします。
麻生 日本の戦後外交というのは「日米機軸」「国連中心」「近隣友好」の三つで、ずっとやってきました。ところが冷戦構造の崩壊後、つねに軌を一にしてきた国連とアメリカが、イラク戦争でズレたのです。このとき日本は国連中心を取るか、日米基軸を取るかの選択を迫られた。当時、私は政調会長でしたが、小泉総理にいったのです。「日本はこの際、国連という競技場を取るのか、アメリカというプレイヤーを取るのか決めましょう」と。
日下 ああ、なるほど。それは面白い。
麻生 アメリカは、日本の国を守ると約束している唯一の同盟国です。当時、アメリカに反対していたドイツやフランスのように日本も振舞えという人もいましたが、それらの国々の場合、近隣から核ミサイルを撃ち込もうという国はないし、また、やられてもやり返せる法律も軍備もある。わが国は不幸にして、撃ち込むと公言する隣国があり、それに報復する手段は、日米安全保障条約しかない。そのカウンターパートナーであるアメリカが困っているときに「いってらっしゃい」と見送るだけで、日本が困ったら「助けてね」などという都合のいい話が、常識として通るはずがない。
そう申し上げると、小泉総理も「それで行こう!」となったわけです。その際、活動をスタートさせるにあたっては現地に赴く隊員の身になって、敬意と感謝という言葉だけは使ってくださいともお願いしましたが、その言葉も小泉総理はきちんと使われました。あれが、日本が主体的に出て行った第一回目でしたね。
日下 それは重要なご指摘です。
麻生 それ以降、私はバグダッド、ハノイ、エルサレムなど、ずいぶんいろいろな場所に行きました。また、日本にいらっしゃる世界各国の外務大臣と会うことも多かったのですが、いろいろなお話を聞くと、世界における日本の評価が変わっていることが確信できました。
日下 この数年で評価は俄然と上がったでしょう。
麻生 確実にあがったと思います。例えば、BBCが、世界27カ国28,000人に聞いた調査があった。「世界にもっとも貢献している国はどこだと思いますか」という質問に対し、日本は2005年、06年と連続して一番なんですね。とくにインドネシアやフィリピンでは支持率が70~80%ある。日本はアジアで、孤立などしていないんです。
日下 日本の新聞は「孤立している」と書きたがりますが、まったく世界が見えていないんですね。
麻生 そのような諸外国からの期待に応えるため、民主主義や自由主義経済、法治主義などをスタートさせたばかりの国々に、支援を行おうと考えたのです。支援というと日本は技術支援やカネの話ばかりになりますが、そうではない。例えばカンボジアでは、日本から法務省の三十代の女性3人が行って、民事訴訟法や民法を作っています。こういう法律が出来ると、日本の法律とルールがほぼ同じになります。これは日本にとっても有利な状況になる。
日下 たしかにそうなれば、企業が進出する際など、たいへんやりやすくなります。インドへの投資が増えているのは法律がイギリス式だからというのと同じですね。
麻生 日本は、国として発展していくなかで、さまざまな成功も失敗も経験してきた。法律の制定もそうですね。成長のヒントも公害への対策も、ノウハウを皆出す用意があるから、一緒に頑張っていこうと持ちかけたんです。
日下 それは、いいお話ですね。そのようなことをやろうと思い付かれたきっかけは何だったのですか。
麻生 一緒にやろうと思い付いた一つのきっかけは、日本のODAでつくられたインドのニューデリーの地下鉄を見に行ったときでした。インド側の責任者が、「この地下鉄は最高の大使だ」というのです。なぜかと聞いたら、「われわれは日本人から二つのことを教わった」という。「時間・納期を徹底的に守る」ということ、そして「労働に対するモラル」だというのです。
やはり、日本は神話で天照大神が働いている国です。それに対して、例えばキリスト教では、労働は神がアダムに与えたもうた罰。これは私がカトリックだから、よく例に引くのですが(笑)。私はそのインドの方のお話を聞きながら、このような価値観を共有できる国々とは、日本は一緒にやっていく価値があると思ったのです。
日下 学者・評論家なら、日本人の勤勉性は二宮尊徳どまりですが、それを「繁栄の弧」へもっていくのは、じつに雄大な話です(笑)。
麻生 例えば、日本は明治維新のとき、教育が大切ということで、国家予算の30%を教育に充てた。さらに30%を国防費に充てざるを得なかったから、残りすべてを四割で賄った。それだけの教育予算を組んで、義務教育をイギリスとほぼ同時期に開始し、国費による海外留学生も日本が考えた。そういうことを説明すると、みんな猛烈に興味を持つんですね。いま発展しつつある国の人たちが悩んでいる問題は、みんなかつて日本が通り過ぎてきた問題ばかりだからこそ、日本は命令や押し付けではなく、「一緒にやらないか」といえる。これは強みです。
日下 ほんとうにそうですね。中国のご出身で日本で評論家として活躍されている石平さんとお話したとき、石平さんは「北京は麻生外交に縮み上がった」と指摘されていましたが、もし北京やどこかがそれを「脅威」と思うなら、思うほうがおかしいんですね。
麻生 事実、中国やロシアの外務大臣から、これを「脅威」といわれたことはないですから。
日下 いえませんよね。最高に成功した、ソフトな外交といえます。経験を教えるとか、日本が作りあげた法律を教えるというのは、まさに「文明」を教えることです。その文明をわからせるために「文化」が付いている。その「文化」は、マンガでもアニメでもいい。日本人の「心」を教えているものだからです。(後略)
よく麻生さんを親米派という人がいますが、知米派というほうが正しいのでしょうね。
「放っておいてください。日本と中国は1500年の間、仲良かったことはないのだから」
対談中で日下さんも仰るとおり、アメリカ人の口を封じるに、これほど適切な言もまずないでしょう(笑)。
昨日今日の話じゃない、あんたらが国を作る遥か前から、日本と中国は殺伐とギスギスとやってきてるんだ。
当事者としてはまさにその通りなのですが、口出しをしたがる第三者の彼らには実感のあるはずがないのですから。口にせずにしてもわかってくれというより、きちんと彼らに通じる言葉で主張したほうが効率がいい。
対外的に「物申す」というのは、単純に対象の彼らに対して強硬な姿勢を取るというのではなく、きちんと通じる言葉を選択できること、何に関してどう言うべきか、何が彼らの胸に、懐に響くのかを明確にわかっていることが肝要なのだなあと思うのです。
強くいうだけなら、イデオロギッシュな活動家と何も変わらない。
政治家が物を言うというのは、現実と国家を背負っている、それがある上で言葉を発するということなのですから。
「北京は麻生外交に縮み上がった」
というのも然もありなんですね。
麻生さんがやったことは、奇襲ではなくあくまでも正攻法。
でも、正々堂々打って出る人がこれまでなかなかいなかった。
だからこその脅威だったのでしょう。
それ以外にも本当に興味深い対談でした。
まだ店頭に並んでおりますので、是非お手にとってご覧いただければなあと思います。
そして明日は、先日のエントリでも取り上げた「月刊諸君」2月号の発売日。
麻生さん、表紙です!
楽しみだー!!!
「英語でしゃべらナイト・新春スペシャル」予告3
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2007.12.24 23:50 | 麻生太郎さんのこと |
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コメント一覧
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2007.12.25 21:24 | # [ 編集 ]
Voiceのことをすっかり忘れてて、あわてて買いに行きましたw
自分は以前から日下さんのファンで、近年麻生さんのことを詳しく知るにおよび、その言説や着眼点が日下さんのものにとても似ていることに驚きました。麻生さんのブレーンに日下さんが入っておられるのでは?とすら考えたほどです。
対談を読むと、お互い初対面ではないものの、さほど接点はなかったような感じですか?でもあまりにも意見が一致していて対談記事としては面白みに欠けますねw
二人とも、マスコミが伝えてくれない思いもよらない発想を教えてくれ、かつ希望を与えてくれるお話を聞かせてくれるのでとても為になります。
2007.12.28 20:47 URL | 3gou #- [ 編集 ]
3gouさま
「VIOCE」良かったですね。
話が合うというのはこういう感じかもしれませんね。
やわらかなものの見方というものは、勇気を与えてくれるのだなあと感じました。
こういう考え方があることが世に広まれば、完全に考えを一にするわけではなくても、勇気を得る方も多いのではないかなあと思うのでありました。
2007.12.31 23:41 URL | ひつじ帝国 #JjQcfDfE [ 編集 ]
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